36年振りのスクリーンでナウシカ!


映画版「風の谷のナウシカ」

1984年3月大学4年生となり研究室で片付けなどをやっていた時、僕が映画
好きであることを知っているアニメヲタクな同級生が「平川、騙されたと思って
観に行ってくれ!」と言われて、渋谷の渋谷東急で公開して直ぐの映画「風の谷
のナウシカ」を観に行きました。当時、アニメ映画は、比較的子供向けの認識が
強く映画ファンには、少し下に見られていた印象がありました。同級生が僕の事
を結構な映画ファン(高校で映画研究部に所属していた)と思っており、アニメ
映画を薦めるのに躊躇があったようです。実は僕自身アニメ映画は比較的好きで
「空飛ぶ幽霊船」とか「海底3万マイル」とか好きで観ていました事もあり、卒
論などで忙しく、有難い情報と感じていました。

で、東急文化会館の上の方にあった渋谷東急へ行くと平日のためか閑散とした感
じでロビーに飾ってあった実物大の小王蟲が淋しそうでした。客席もがらがらで
したが、映画が始まると直ぐに「並のアニメではない」ことが分かりました。
オープニングのメーヴェ、王蟲の登場シーンから圧倒されて、見終わったら時点
でこれまでの日本のアニメ作品で最高傑作だと確信しました。

当時は、映画の公開が終わるとビデオソフトもひと月遅れくらいで発売になって
いた事もあり、高画質で低価格だったLDのソフトをプレーヤーと一緒に購入しま
した。(笑)それまでビデオソフトなど買ったことなかったんですが、その後LD
の数は200タイトルを超えて大変なお金を使ってしまいました。(大汗)


映画版「風の谷のナウシカ」 のLD

この作品については、散々語り尽くされていると思うのでちょっと変わった視点で
の話しを書きたいと思います。

この映画のパンフレットは、2種類存在しています。公開時から販売していたも
のと後から発売になったものです。公開途中でパンフレットが変わるという事って
結構珍しいと思います。もしかしたらですが、最初のパンフレットの画像のナウシ
カのほっぺに黄色いぶつぶつがもれなく描かれていました。すべての画像がそうだ
ったのでパンフレット制作時点でそういう設定だったと思われます。
ところが、本編のナウシカにはそういうぶつぶつなどありません。どこでそうなっ
たのか分かりませんが、後のパンフレットにはそういう画像はひとつも存在しませ
んでした。個人的には、ぶつぶつが無い方が好ましかったのでそちらが採用で良か
ったです。


初期版のパンフレット

原作は、雑誌アニメージュに連載されており、映画は2巻くらいまでの内容で原作
と比較すると無理やり終わらせた印象もありました。原作は結局全7巻で完結しま
したが、ちょっと難しい終わり方だったと思います。作者の宗教観や思想に迷いが
あったのかもしれません。でも、好きな作品です。今でも時々読み返します。

この作品の後、吉祥寺にスタジオジブリが設立されて映画の0号試写が吉祥寺東宝
でやられていたそうです。大学を卒業して三鷹に住んで吉祥寺の映画館へ通ったの
が印象深いです。(その後ジブリは東小金井へ移動)

ジブリ作品はビデオソフトで大きな収益を上げているためか?ほとんど映画館での
リバイバル上映がありません。特にこの「風の谷のナウシカ」は、今回の上映は、
実に36年ぶりとのことです。LD、DVD,BDと散々観た作品ですが、映画館のスクリ
ーンで観る事には、古い友人に再会するのに似たような感慨がありました。
できるだけ大きな映画館で観たいと思い、調べたら20時の上映でした。(笑)

36年ぶりの風の谷のナウシカはオープニングのWWF推薦がスタジオジブリに変わっ
ていた以外は全く変わらないものでした。もしかしてオリジナルのモノラル音声を
ステレオ化もしくはサラウンド化してくれないか?と僅かに期待していましたが、
オリジナルのままでした。ただ、最初のメーヴェのシーンで感涙。名作です。

昔、ラピュタ公開時に発売になったプラモデルの残り(王蟲バージョン)を作ろう
と思います。近所のスーパーで復刻版のプラモも売っていたので、メーヴェとガン
シップのバージョンも衝動買い。ついでに出来が悪いことも知っているけどラピュ
タのフラップターのプラモも購入。全部、昔作った事がありナウシカのフィギュア
の出来の悪さも知っていますが、ご愛敬です。余裕があったら改造とかしてみたい
と思っています。(爆)

2020年7月1日

平川丈二は最近こんなことを考えている!
Back to 平川丈二Home