ガットギター修理大作戦 その1



以前接着剤で補修したところで割れが発生!

2013年4月に購入した人生初のガットギターを散々改造して遊んでいたんですが、とうとう2
度目のネック割れ(前回補修した部分と同じところ)をやってしまい、同じところを接着剤で
接合する事が難しいと思われるため、一度ネックを取り外し、ヒールを交換して修理すること
を計画しました。

 
オリジナルの構造図ボディ内では、ほとんどトラスロッドむき出し。   要アイロン補正!orz

そもそも\3万円程度のガットギターに恐るべし工数を既に費やしていますが、さらにネックを
分解してヒールを新しいものへ交換するという常軌を逸した状況です。(爆)とりあえず、GWの
連休にネックを取り外してみました。ヒール交換前提なので、大胆にヒール部をのこぎりで切
断し、トップに接着された指板をアイロンで加熱して引き剥がし、さらにネックをボディから
引き抜きました。やさしく分解したつもりなんですが、ネック−ボディ間のダボを片方折って
しまいました。orz

 
なんとかネックを取り外しました。 ジョイント部のダボを片方折ってしまいました。

改めて、ギターの構造を見ると、ネック内に通されているトラスロッドがボディ内を指板の下
に露出していました。力木で支えているとはいえ、ネックとボディのつなぎ目に応力が集中す
る印象で、ネック起きの要因であると思います。理想的には、トラスロッドは、ボディに接触
しない構造だったら良かったと思います。

当初、指板をネックから剥がしてトラスロッドを除去、代わりにカーボンロッドかなにかで空
間を埋めようと考えていたんですが、指板が上手く剥がせず、断念。トラスロッドの扱いに悩
んでいたら、トーマス・ハンフリーデザインのマーチンのギターを思い出しました。ネックが
アーチドトップのギターのようにボディの上に伸びており、ボディとネックの境目に応力が集
中しない構造になっていました。"Elevated Fingerboard"って言うらしいのですが、ネックエ
ンドに接ぎ木をしてトラスロッドをネック内に入れてしまえば、良いと思われます。


トーマス・ハンフリーデザインのマーチンのギター

まずは、ネック起きで曲がってしまった指板をアイロンで戻してみたんですが、微妙に指板全
体が波打っている感じです。(大汗)おまけに一晩たったら微妙に戻っているし・・・。
ネックの延長材を貼る前に再度アイロンで矯正しないとだめそうです。

とりあえずフジゲンで頂いてきたネックの端材を使わせて頂く事にして、ネック部の延長部を
制作しました。まじめに当たりの図面を引いてみたんですが、ピッチのズレが心配なので、ネ
ック部をしっかり組み上げて、ボディに仮止めし、実際に弦を張ってピッチを確認してネック
の取り付けの位置決めを行いたいと思います。


実物大の当たり図を書いてみました。

かなり泥沼状態ですが、まぁ素人なりに色々と試してみたいと思います。

2015年6月1日

平川丈二は最近こんなことを考えている!
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