映画の話題 2020

現在は、田舎に暮らしている事もあり年間観る映画の数も映画館で15本、ビデオ
で20本くらいと淋しい限りですが、それでも年に何本か好きな映画に出会ってい
ます。ちなみに昨年だと、「アルツハイマーと僕 グレン・キャンベル 音楽の
奇跡(輸入盤BD)」や「すみっコぐらし(アニメ)」とか良かったです。

今年は、アカデミー賞作品賞にポン・ジュノ監督、ソン・ガンホ主演の「パラサ
イト 半地下の家族」が受賞したこともあり、これまであまり観ていなかった韓国
映画を幾つか観てみました。観た作品は以下の7作品です。

パラサイト 半地下の家族
殺人の追憶
母なる証明
タクシー運転手 約束は海を越えて
建築学概論
新感染 ファイナル・エクスプレス
グエムル-漢江の怪物

グエムルは、怪獣映画好きなので、DVDが発売された当時一度観ていますが、改め
て観直しました。まとめて観てみると韓国映画の特徴が見えてきます。一応韓国内
で大ヒットといわれている作品ばかりなので、作品として大きな偏りは少ないと
思いますが個人的に感じた「共通項」は、

・警察や軍隊は、一般市民を人間扱いしない。
・警察は、明らかなでっちあげでも犯人を逮捕する。
・自白をとるために無理な拷問などの暴力を駆使する。
・自分の利益のためなら他人が不利益を被ってもOK。
・ばれなきゃ法律とか守る気なし。
・嘘をつくのは、普通であり、ばれなきゃ問題なし。
・人生は結局酷い結果に終わる。
・障害を持つ(弱い)人などを平気で酷い扱いをする。
・弱い相手には、強く出てとことん叩く。
・酒を飲む時は、倒れるまで飲む。
・気に食わないと直ぐに殴りかかる。
・自分の論理で言いがかりをつけて、金をとる。

う〜ん、やくざな世界ですね。
所謂「ヘル・コリア」って感想しか出てこないです。
昔「オールド・ボーイ」を観た時も同じような印象を持った記憶があるので変わ
ってないのかもしれません。

アカデミー賞関連の作品もいくつか観ました。
「ジョジョ・ラビット」と「1917」おまけに「CATS]です。

「1917」の最後は圧巻でした。本当にほぼ全編伝令の話でした。パラサイトもそ
うですが、今年のアカデミーの作品賞は「ジョーカー」がダントツだったように
思います。ジョーカーの内容が問題あるようだったら1917かしら?残念ながらパ
ラサイトは、その次くらいの出来だったと思います。

「ジョジョ・ラビット」は、監督のワイティティの優しさが溢れた作品でした。
特に音楽が良かったです。「熱狂」を表現するのにビートルズには笑いました。
キャプテンKがかっこよすぎです。最後のヒーローズもその後の事を思い出させ
て胸熱でした。先週のCATSに引き続きレベル・ウイルソンが出ててこちらも
はまり役でした。ジョジョは、松本では2/20までだったんですが、最後の週から
別の映画館でも上映が始まったので有難かったです。前の週は夜の上映1回のみ
だったので、夜観に行くつもりだったんですが、観に行った週末の上映は朝の9
時の上映1回のみになって他の予定と当たってしまい困っていました。都会だと
iMAXとか上映方式まで選べるというのに田舎は映画ファンには哀しいです。

「CATS」 1991年2月16日ロンドンウエストエンドで舞台版"CATS"を初めて観まし
た。前の週に観た人生初のミュージカル「レ・ミゼラブル」があまりに良かった
ので、翌週にCATSを観たという経緯があります。でっかい空き缶とかのセットが
劇場中置いてあり圧倒的な舞台でした。2階席だったんですが、たまたま顔の前
30cmくらいのところでキャストの一人が歌ったのでかなりビビリました。
(10名くらい客席で歌うところがありました)とはいえ、30年近く昔の事なの
ですっかりストーリーとか忘れた状態で映画版を観ました。ネットでいまいち評
判がよろしくない事を知っていたので少々心配しながら観たんですが、「気持ち
悪い」という悪評は問題なし。白猫ヴィクトリア役のフランチェスカ・ヘイワー
ドが大活躍!圧倒的な身体能力で踊り歌います。ヴィクトリアをフューチャーし
たのは大正解だったように感じました。イアン・マッカランやテイラー・スイフ
トとか無駄にキャストが豪華な感じでした。(汗)悪評高いネズミとゴキブリの
シーンも寧ろ可愛い印象でした。(爆)映画ならではの演出がてんこ盛りで結構
舞台版と違うような感じでした。特にオールドデュトロノミーが男性から女性に
変わっていたのは驚きでした。ジュディ・デンチですからそれほど上手く歌えま
せん。結構重要な歌もあったと思うので批判もありそうです。舞台版はもともと
ジュディ・デンチがグリザベラ役をやる予定だったそうです。公演前にアキレス
腱断裂の怪我でエレイン・ペイジに代わったそうです。神様の思し召しでしょう
か?(大汗)そのグリザベラ役のジェニファー・ハドソンは、大変期待していた
んですが、普通以下かも?全体としても傑作までいかないまでも充分OKな出来だ
ったと思います。舞台版が気になっていたので90年代に映像化したBDを購入して
おいて、帰宅後観ました。映画版と結構違うのと昔観た舞台版を思い出しました。
後日劇団四季版も観たんですが、主役級はともかくカンパニー(端役)のレベル
の差が気になりました。映像版は舞台版よりレベルが高かったかもしれません。
しかし、BDなのにDVD以下の画質に眩暈がしました。

最後にもう1作品 「サヨナラまでの30分」
松本を中心にロケ撮影された作品。シネマライツで大プッシュしたあったのに時
間の関係でイオンシネマ松本で観てしまいました。横柳副支配人ごめんなさい。
新田真剣佑と北村匠海主演の青春音楽ものです。あまり期待していなかったこと
もあるんでしょうが衝撃的に良かったです。脚本も編集もハイレベルでした。大
事な音楽もよい楽曲を使っていて素晴らしかったです。リンゴフェス(りんご音
楽祭!2009年から実際に松本で開催されています!)を舞台に1年前にバンドリー
ダーを交通事故で亡くしたグループメンバーと30分だけバンドリーダーと入れ替
わることが出来る主人公の物語です。大半が松本でのロケ。重要な舞台である廃
墟のプールは塩尻の某プール。現在立ち入り禁止らしいですが見に行ってみたい
です。(汗)出来が良いのでもっと売れて欲しい作品です。新田真剣佑と北村匠
海の歌は、リップシンクがいまいち合っていなかったので吹き替えかしら?と思
っていたんですが、実際にはこの二人が歌っていたようです。北村匠海は、メジ
ャーデビューしているバンドのヴォーカルとギターを担当しているので俳優より
本職と言えるかも?新田真剣佑も全く負けていない(というか設定上映画の中で
は負けててはまずい!)のも凄いです。この二人をキャスティングしたのが成功
のポイントの一つだったかも?

2020年3月2日

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