ギターネタ 2022その3
プレイテック ST280
ローエンド・ストラト改造


プレイテック ST280 改造

プレイテック ST280  (カーボナイズド・メイプルネック)
プレイテックのローエンドのストラトモデル。\12,800円(送料・税込)という
価格です。一般的には、入門者とかの方が購入する最安値のモデルです。

仕様としては、以下の通り
■ST280
■ストラトタイプ(オリジナルタイプ)
■カラー:サンバースト
■ボディ:ホワイトウッド
■ネック:カーボナイズド・メイプル
■指板:カーボナイズド・メイプル
■フレット:22フレット
■ピックアップ: シングルピックアップx3
■コントロール:1ヴォリューム、2トーン、5WAYスイッチ

サドルは、板金ではなくブロックタイプ。トレモロブロックは薄いタイプ。
スプリングは3本掛けですが、ブリッジは強力なベタ着け。
カーボナイズド・メイプルネックは貼りメイプル指板。
サテンフィニッシュっぽいものでした。

届いて直ぐの短時間でのチェックの印象は、
オクターブ調整は6弦以外はほぼOK。
フレットの端面処理は許せるレベル。
ネックはほぼ真っ直ぐ。
弦間は、狭いタイプ。(フェンダーと互換性なし)
弦高は、低めで強く弾くとびびります。
そのままで使うのは、厳しい印象でした。

届いた土日に早速改造開始!
まずは、全分解。
いろいろと拙いと思っていた不安的中でした。
イナーシャブロックはスリムタイプなんですが、中抜きまでされてて驚きま
した。速攻でブラス製のブロックへ交換。チューニングの安定を目指してフ
リーフローティングスクリュー(ブリッジのエッジを受ける溝が設けてある
ネジ)へ交換。ブリッジのエッジ部の一応バリの無いことを確認の上、エッ
ジを少しやすりがけしてモリブデングリースでグリスアップしています。
で、組み込んでみたらボディがブロックに当たって稼動域が狭いことが判明!
豪快にボディ側を削りました。ついでにブロックの角(ボディに当たる部分)
も削ってアームの可動範囲を広げました。


イナーシャブロックの比較

ネックを外したら謎の木の薄板(厚さ0.5mm)のシムが挟んでいありました。
トップとポケットの深さを計ってみると薄板側が0.5mm低かったんですが、
普通ポケット部には塗料は乗らないんですが、結構塗料が乗っててそれが誤
差になっている印象でした。全部削るのは大変なので、出来るだけ合わせて
平らにして組み直しました。(笑)


ネックポケットの塗料と謎の木の板片!

ピックガードを外したら案の定塗装ゴミだらけでしたが、それ以上に驚きだっ
たのが、ポットとセレクター部分にアルミが貼ってある程度でほぼシールド
なしでした。外来ノイズに弱い訳です。キャビティに導電塗料を塗ってピック
ガードには、アルミを追加で貼りました。


ノイズ対策前後

ジャックの部品も耐久性が低いもので将来的に接触部がNGになる可能性大なり
そうだったので、手持ちの普通のものへ交換しました。ポットもCTS製へ交換。
ストリングガイドも交換。

一通り組みあがったら、弦高、オクターブ、フローティングを数回調整。
最後にP.U.の高さを調整して完成。音出ししてみました。

なによりチューニングが安定してて有り難いです。
しょぼしょぼP.U.としては、意外なほどいい感じでした。もう少し倍音が豊か
だと嬉しいですが、普通レベルです。やはりネックのレベルが価格の割りに高
レベルなので、トータルの評価が高くなると思います。

その後、あれこれ弾いていたら妙にチューニングが狂うことに気づきました。
原因は「アームを動かす度にブリッジがネジ(フリーフローティングスクリュー)
の溝から脱落していた」でした。確かに溝の寸法を考えるとエッジは、約1mm
以下じゃないと厳しそうです。ちなみにブリッジのエッジを実測したら約1.5
mmもあるので規制しきれないのも当然ですね。ブリッジのエッジを1mm程度
に削ってみたら脱落はしなくなりました。


フリーフローティングスクリューの寸法実測。

トレモロブリッジのエッジを半分の厚さに削りました。

プレイテック ST280 の改造 まとめ

現時点で改造したのは、以下の通り
・ブリッジのイナーシャブロックを重めのブラス製のものへ交換(\2530円)
・交換したブロックがボディに干渉(当たる!)ので当たる部分を削る
・ブリッジネジをフリーフローティングスクリュー(溝付き)へ交換(¥820円)
・ブリッジがアームを動かず度に溝から脱落するのでエッジを半分程に削る
・アームの可動域を広げるためにイナーシャブロックの角も削る
・ボリュームポットをCTSのものへ交換(\968円)
・アウトプット・ジャックを交換(\550円)
・コンデンサを手持ちのフィルムコンへ交換
・切り替えノイズが酷かったのでOAK 5way switchへ交換(\1755円)
・ストリングス・ガイド(リテイナー)を抵抗の少ないものへ交換(\420円)
・必要な部分にグリスを塗る
・ADPowerを貼る(\990円)

オリジナルと比べるとかなり変りました。
一番は、自分の好きなセッティングに調整したのが大きいですが、イナーシャ
ブロックの交換とボリュームポットをCTSのものへ交換が音質的には大きかった
です。ローエンドのストラトですが、普通に使えるギターになりました。
総額¥2万円くらいなので飲み屋に持っていっても平気なストラトです。(笑)

2022年4月1日

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